待望のもいわ山 山頂展望台へ
もいわ山のロープウェイに乗って中腹駅まで行き、もーりすカーという(ケーブルカー)で山頂駅まで行った。もーりすカーを降りてからは、その流れでみんな降りた順番で列になるともなくゾロゾロという感じで列になって進んで行く。
ふと、こんなにたくさんの人達が展望台に行ったら、展望台は人でごった返してお祭り騒ぎなのではないか? めちゃめちゃ混んでしまって手すりの前まで行けないのではないか?なんて不安もよぎった。まあ、ここまで来たらゴールを目指して昇るだけだけど。
しかし確かに私達が昇っていくのと反対側に下り専用の通路があり、そちらからはドンドン人が降りてくる。屋上展望台はうまいこと人が入れ替わっているのかも知れない。
途中にあるお土産屋さん「もいもいのおみせ」の邪魔にならないように、展望台に行く人の通路には並ぶエリアにテープが張られているので、店を横目で見ながら流れが止まるところまで行くと、やがて階段になる。
ここまでくると係員さんはいないのだが、みんな行儀よく並ぶことに慣れたのか、走ったりする雰囲気はまったくない。
かなりの時間を待たされてイライラしてるしウンザリもしてきているのだが、「それもあとわずか」という希望的観測の喜びの方が上回っているのかも知れない。
もいわ山 もーりすカー
この階段を登りきったところに、あの有名な写真の夜景が見られる場所がある。
そう思うと疲れも吹っ飛ぶような気分だ。
狭い階段から外に出ると、途端にすごい強風が吹き付けてくる。すっかり日も暮れて気温も低くなっている。さすが標高531メートルの山。
しかし、あんなに大人数が行列をなして待っていたのに、みんなどこへ行ったの?というくらい広々としていた。余裕で手すりのキワまで行って眼前に広がる夜景を楽しめそうだ。
いろいろな気持ちが入り混じった「うわ~」という思いで、吹きあげてくる風と寒さに耐えながら階段の出口から「幸せの鐘」の方へ進み、その向こう側のあたりの手すりのキワまで行ってみる。
360度のきらめくパノラマが広がる世界はものすごくきれい。そうだ、写真撮らなきゃ!とスマホを取り出して写真を撮ろうと手すりから手を伸ばすと、スマホが持っていかれそうな恐怖を感じるくらいな強風が吹き上げてくる。
手を伸ばさなければいいんだが、老眼だからつい画面を体から離して構えてしまう(笑)
一カ所にとどまった状態でも首を回せばかなり広範囲の夜景を眺めることができるので、待ってる間に足が疲れ切っていた私はあまり移動せずに夜景を堪能していたのだが、「すげー、すげー」と言いながらはしゃいでいた超軽量なダンナさんはどこまで飛ばされていったのかな?と探してみるも、暗い展望台でそれなりに人がいてそれなりに広いのですぐには見つからなかった。
寒さに耐えられず、早々に撤退!
仕方なく移動して探すか、じっとしてると寒いし、と思い手すり沿いに移動していくと、「ぐるっと一周して見てきたよ!」と興奮状態のダンナさんが満面の笑顔で感動しながらやって来た。「へ~~、向こうは何があったの?」なんて聞きながらダンナさんをふと見ると、ブルブルブルブル半端なく震えている。「オイオイ、大丈夫?」と聞くと「さ、寒い!」とワナワナと寒さでろれつが回らなくなった口でやっと言った。捨てられた仔犬のように全身で震えているので、「もう夜景は見たの?気が済んだ?」と聞くと、「もう見たからいいよ」というので「じゃあ、降りようか」ということになったのだが、なんと降りる階段には降りる人の行列ができていて、ブルブルしながら寒空の中その列に並ぶしかなかった。
展望台には自動販売機も設置されていたけど、買わなかった。ダンナさんが要らないといったのは確かだが、真夏なのでHOTは売っていなかったのか、売り切れてしまっていたのか、軽いパニック状態だったその時のことは、明確には覚えていない。
とにかくTシャツ1枚で「寒いよ~」と震える体脂肪率の低いダンナさんの肩をメタボな私が抱きかかえながら、「眠っちゃダメだ!歌を歌うんだ!」と言って励ましながら少しずつ進み、何とか階段のガラス戸の中に入ると、風をよけられるというだけで別世界のように快適になった。
しかし、一度体の芯まで冷え切ってしまったダンナさんは、なかなか寒さが収まらず、いつまでも拾われた仔犬のようにガタガタしながら、下りのもーりすカー乗り場の行列で待った。
そうか、上りの行列で待っている時に、みんな薄手のダウンジャケットとか着て並んでるなーと思ったら、事前にこの寒さの情報を得ていたんだなーとこの時になって納得した。
下りは上る時よりも行列は早く進んだ気がするのは、帰り道におみやげ屋に立ち寄る人や、カフェでコーヒーを飲んで温まったり、腹ごしらえをする人がいたり、団体さんで時間が限られている人が私達よりも少し早目に下りたりしたせいかも知れない。
とにかく一心不乱に頂上展望台を目指す往きと違って、帰りは人々の動きが分散されるからだろう。
さて私たちは強風による体温低下から解放され、時々なぜかドーンと進む通路を、遅れを取ったり列を乱したりしないように歩くことでだいぶ落ち着いてきた。
途中、下る人と上る人が区切られてすれ違う場所があるのだが、これから上っていく人達の行列の中に自分たちのように薄着の人を見かけると、さっきまでの極寒の感覚が甦り、「あーあー、これからの時間であの格好じゃ、ゆっくり夜景みられないね」と可哀想に思ったりした。
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