昨夜は顔合わせという大仕事も終え、夢のような一日が明け、今日は夫婦水入らずで朝から晩までまるまる1日思いっきり気楽に観光三昧する日だ。
予定では朝から小樽へ行って美味しい海鮮料理(特に旬のウニ)を食べた後は、ゆっくり小樽運河を散策してそこから堺町町のスイーツ通りを冷やかしながら、美味しそうなものを見つけて食べたり買ったりする。
その後札幌に戻り、藻岩山の夜景を見に行く。
下界に降りたらホテルの近く、すすきの辺りでまた美味しいもの(その時の気分でチョイス)を食べようか。今日もワクワクと楽しみな一日の予感。
まずは部屋に備え付けのインスタントコーヒーを飲みながら朝ドラを見てから出発。
小樽観光の旅へ出発!
ホテルから徒歩5分で地下鉄東西線の「西11丁目駅」。ここから「大通駅」まで行き、
地下鉄南北線に乗り換え「札幌」まで行く。
徒歩で JR 札幌駅まで行き、 JR函館本線快速〔いしかりライナー〕 で小樽駅まで約32分。
途中から海岸線に出る。 日本海だ。
開けた海岸線は海の本当に間近を電車が走るのだが、海面と線路の高さがあまり変わらないような感じで非常に圧巻で迫力がある、というよりはやや恐ろしいほどの景色の中を結構長く走ることになる。
その日の海は穏やかだったが、少しでも海が荒れている日には電車が止まるんじゃなかろうか、いや、止まらなかったらあまりにも恐ろしすぎるだろうというくらい海と線路は近い。(気がする)
しかし、鉄道ファンにはたまらないエリアかもしれない。
私たちは神奈川県住まいで、と言っても海のすぐ近くに住んでいるわけではないが、小旅行やちょっとしたドライブなどで鎌倉や湘南、千葉や伊豆など、比較的海に馴染んだ生活をしている方だと思うが、それでも小樽に行くまでの電車と海の近さと、その状態の走行距離の長さは初めての経験だった。
北海道の迫力か、はたまた日本海の迫力か、いずれにしてもその景色は印象的だった。
カメラ好きな二男には、一度見せてやりたい気もした。
小樽駅
そんな道中を経て到着した小樽駅は、札幌に比べると随分とこじんまりとして静かな印象だった。
確かに札幌と小樽は観光して回るには程よい距離感なので、観光プランの際にはセットになっていることが多いが、札幌は都会で小樽は漁師町と言う大きな違いがあるのか。
もちろんそれぞれにそれぞれの良さがあり、きらびやかな札幌に対して、小樽にはなんとも言えない風情がある。
祝津(しゅくつ)の民宿 『青塚食堂』で「うに丼」を食す
そんな小樽の駅や市街地からひときわ外れた岬の突端に「祝津」(しゅくつ)という地域がある。
昔ニシン漁で栄えて豪邸を建てたという言い伝えの鰊(にしん)御殿があるところだ。
小樽鰊御殿
この鰊御殿は小高い丘の上に建っているのだが、その手前の麓に今回のお目当ての店、民宿もやっている『青塚食堂』がある。
小樽駅からタクシーで道は混んでなかったけど20分ぐらいかかったかな。
美味しいウニを食べさせてくれる「漁師さん直営の民宿が併設している食堂」という情報をネットで見て、地図で立地を確かめた時に勝手に「街から離れた漁師町でよくある年季の入った小さな定食屋さん」をイメージした。
なのでまたまた勝手に「経営不振で本日突然休業」だったらどうしよう!? などという失礼な不安を心の中に抱いでいたので、ドンドン街から離れていくタクシーの景色に不安がピークになった頃、「着きましたよ~」とタクシーが止まった所は、ドドーンとした大きな店構えの立派な食堂。
その店先で串刺しにした大きな魚を炭で焼いていて、観光客らしきお客さんでごった返している。
「な、なんだって~~!? こんなに立派なお店なの? ビックリ!!」
っていうか無茶苦茶 混んでる!? むしろ、予約なしで大丈夫なのか!?
いや、もう20分近くかけてタクシー代も2千円かけてせっかくここまで来たんだから、
何が何でも美味しい旬のウニをダンナさんに心ゆくまで食べてもらいましょう!!と気を取り直し、入り口に並んでいる人に「すみませ~~ん」と言って中の様子を伺ってみると、店内はかなり広い(実は2階席もあった)そして満員。
予想を大きく上回る食堂の活気に、待ってる間も期待が膨らむ
従業員さんたちは活気にあふれて忙しそうに、店内の窓側にある大きな焼き場で丸ごとのイカ、ホタテ貝、ツブ貝 、アワビ、よく知らない貝などを焼き網の上いっぱいに並べて(キレイに並んだ貝たちがカワイイ!)手慣れた様子で焼き加減を見極めてはナイフでサッサと切り込みを入れて手際よくお客さんに提供していく。
その壮観な魚介類たちとオカアサン達の手際の良さに「おお~~」と思いながらも、「焼き場」のオカアサンたちは順番待ちのお客には構っているヒマも構う気もなさそうなので、こりゃどこかに名前を書かないといつまでたっても順番が来ないなと思っていると、同じように様子を伺っていた前のお客さんが名簿を見つけて名前を書いているのを見たので、その後に続いて同じように名前と人数を書いたら外に出て行列の最後尾に並んだ。
「ふーーーっ!!」 私は何も働いていないのに、チャッチャとしたおかあさんたちの働きっぷりと、焼かれて丸まる網の上の魚介類、ムンムンとした焼き場の熱気と醤油のいいニオイにあてられて、外の空気に思わず深呼吸をした。
と同時に、そんな風に熟練の技術で調理されていく活きのいい魚介類たちを口にする瞬間を想像するだけで、思わずワクワクソワソワしてしまうのだった。これは電車とタクシー乗り継いで来たかいがあったな! 楽しみ、楽しみ~!
だんだん自分たちの順番が近づいてくると、店内で待つようになるのだが、
そうなると何を食べようかな~という期待はますます大きくなってきて、
「今席についてお食事をしているお客さん達は何を食べてるのかな~?
今焼きあがって運ばれていったお料理は何だろう?
何のセットにつくんだろう?」
なんて、もう目にも美味しい! 忙しい!という感じ。
【あまりに近いので写真を撮るのは、はばかられたため焼き場の写真は無し】
いよいよオーダーの時
ダンナさんはもちろん「ウニ」狙いなのですが、私はそこまでウニが好きな訳でもないので、「お刺身かなー、焼き魚かなー、貝の焼いたのも美味しそうーー。ちょっとずついろいろ食べられるセットがあるかなー」ともう、たまりません!
そしていよいよ名前を呼ばれて小上がりのお座敷に通された。
やった!お座敷希望?と書く欄があったけれど、まあどっちでもいいから早い方がいいかなと、「どちらでも」としたが、やはり正直言ってお座敷の方が落ち着くお年頃なのだ。
座ってメニューを開く。「えーーーーと、ウニは?」『時価』これは店員さんに聞くしかない。この時の「ウニ」の時価は、バフンウニ丼で 6,380円なり。
覚悟はしていたものの威勢のいいお値段に「うーーーーん・・・」としばし悩むも「せっかくだから」ということで、キヨミズの舞台から飛び降りる気分でエイッとオーダー!
生バフンウニ丼
私は、「大漁定食」2,498円。 焼き魚・お刺身・貝焼きが楽しめる。これにご飯・味噌汁・小鉢がついてこのお値段!
お酒はすっかりお気に入りの「国稀」690円。
大漁定食
旨い!うまーーーい!と一口ごとに美味しさを堪能してうなずきながら大満足なダンナさんでした。
もちろん私も大満足でしたー!!
バスでゆっくりと小樽市街に戻る・・・つもりが
帰りはゆっくりと路線バスで帰りましょうか、ということになり徒歩2分ほどのバス停で時刻表を確認すると・・・ガーン
バスが1時間に2本しかない。そして次のバスまで20分もある。
うう、こんなに暑い所でボーっと20分も待てないよ。っということで仕方ないのですぐ目の前の海辺へ散策に行くことにした。
とてもいい天気。海は青く遠くまで見渡せる。ああ、あの丘の上の鰊御殿からこの海を眺めて鰊が来るのを待ったんだな~などと悠久の風景に思いを馳せたりしながら爽やかな潮風に吹かれてほどよく小休止。
さあ、ぼちぼちバスが来るからバス停に戻りますか。
今日はまだまだ暑いな~、と思いながらふと道路の向かい側を見ると、何やら趣のある家屋が。何々?「旧白鳥家番屋」かつての網元と漁夫の住まいかな。歴史を感じるいい風情。
旧白鳥家番屋
写真を撮ろう。などとしていると丘の上の小樽水族館始発のバスがゆっくりと坂を降りてくるのが見えた。 は~~、やっとバスが来た。満腹過ぎて疲れたよ~。(ぜいたくな悩みだな)
プシューっと空気音がしてバスの扉が開くと、結構混んでいてバスの中ほどまで乗客が立っている感じで乗っていた。
ええー、始発の次のバス停なのにこんなに混んでるの? あんなに水族館の駐車場には車が停車しているのに、マイカーで来ない人もこんなにいたの? 小樽水族館って地元で人気なの? 観光ルートなの?
まあまあ、そうは言っても他に足のない私達も乗せてもらいましょうかね。
この先、小樽駅まで途中のバス停からお客さん乗せられるのだろうか?という心配はあるけども、とにかく乗り込んでバスは駅へ向けて走り出した。
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